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雪の断章

『雪の断章』(佐々木丸美/ブッキング)読了。
久し振りにこんなに面白い本を読んだ気がします。いや他にも色々読んでるんだけど。
30年以上も前の作品だけれど古い感じは全くしないです。名作は色褪せないのだなあとしみじみ。言葉の使い方が少し独特なので、慣れるまでは、これは誤字なのかそれともこういう使い方なのかと悩んだりしましたが(笑)。慣れればあまり気にならないかな。あと飛鳥と順子の高校での会話はなんとなく荻原規子さんの『樹上のゆりかご』を思い出しました。昔の高校生の会話ってこんなんだったのかな。
途中で殺人事件が起きた時にはどうなるかと思いました。あれあれ、これ恋愛モノだと思って読んでたけど実はミステリだったの? これからそっちに話が行っちゃうの、みたいな。でも事件が解決して犯人が捕まるわけでもなく、途中で犯人は判明するんですが、本当にあの人なのか気になりながらずっと読んでました。これそういう話じゃないのに(多分)。
すごくキレイで切ない話です。透明な雪と白の世界。冬の終わりと冬のはじまり。清浄。純白。永遠。終わり方がすごく寂しかった……。
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